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【プチメイキング】侵蝕 Shinshoku - feat.Annabella

ここ最近、非常に居心地が悪い"X"ですが、せっかく公開していた裏話の一つ「侵蝕 Shinshoku - feat.Annabella」のプチメイキングツイート群が突然消滅するという事があった場合、非常に勿体ないので、自分自身のこのWebサイト上に移植+αの追加コメントを残しておきます。(それ程、気合を入れてあの作品を仕上げたので、残しておかないと気が済まないんですよねw)

その前に作品自体を先に埋め込んでおきます。見ていない方はどうぞ。

【UE5/MMD】侵蝕 Shinshoku - feat.Annabella【幻塔】


Behind The Scenes

エディター画面

まずはUEを使用していたのかの証明も含めてエディタ画面から (別プロジェクトにも関連している部分は検閲してます)

Unreal Engine上で確認できるプロジェクトの編集画面

UIを見ての通り、シーケンス機能を用いて作成しています。BlenderやMayaで扱うようなプリレンダリングベースではこういった1カットを好きなタイミングでリアルタイムで確認する事は叶わないので、ゲームエンジンベースで映像を制作する事の一番のメリットといえば、やはりこれでしょうね。

ワイヤーフレームビュー

ワイヤーフレームビュー

作中では見せなかったステージ全景

【ワイヤーフレーム/ライティングのみ/ライティングあり】

実はこの作品には、別に行っているプロジェクトで使用するシステムの実験という目的もあったので遠景も試験的に構築してました。

その別プロジェクトというのが、現在、当YKRV.NETで公開中の"特設ページ"のゲームだったというわけですね。

別角度から見たステージ全景

別角度から見たステージ全景

作中では見せなかったステージ全景(別カット)

まあ、見ての通り映らない所は全く手を入れてませんね。

一見、範囲が狭いので「ええ!?」と驚かれる方は多いでしょうが、"映像作品"ともなれば"魅せ方"を工夫すると自然と必要な箇所のみに留める事になって、最終的にはこれぐらいハリボテになるのは自然だと思います。(それだけ凝ったギミックが他にもあるならもっと作り込む面積は増えますが)

エディターで見る曲のサビ部分の「赤い紅の月夜」のシーン

ワインレッドに染まる紅の月夜のシーン(エディタ)

曲のサビ部分の"紅い月に染まる"シーン。ステージの左右の幅はそんなにないので"霧"を置いてカメラがそちらに向いても違和感がないようにしていました。定番手法ですね。

それにしても調整している時からテンションが上がるシーンでしたね。「アナベラ = 吸血鬼」という公式イメージから連想したものが「ワインレッド」カラーだったので、"恐怖の血"といったキツめのブラッドカラーにはならないように意識してカラコレしていました。最も、UnrealEngineのポスプロだけでなく、最終的な仕上げとしてDaVinci Resolveを使用する事は制作初期段階で決めていたので、UE5側ではあまり調整しすぎないようにしていましたが。

シーケンストラック画面

シーケンストラック

シーケンストラックを公開。ほぼすべて折りたたんでいるのでもっと情報量はあるはず。

チラッと見ても分かる通り、本来ゲーム制作で使用するブループリントといったものにまとめたりと、単に映像を作るだけの為の使い方はしていません。ハイブリッド形式でシーケンスに並べてますね。最も、2019年に仕上げていた例の映像作品よりはあまりゲーム向けの機能を使用してはいません。ほとんどBlender上で事前にプリレンダリングしていたアニメーションデータやシミュレーションキャッシュデータをインポートしているだけです。

3Dモデル 「クローバー・クロス」

>Unreal Engine上でのプレビュー

Unreal Engine上でのプレビュー

Zbrushのモデリング自主トレとNaniteモデルテスト兼ねて制作したアナベラの「クローバークロス」はラストシーンで少ししか映りませんが、技量向上の為にも作り込みと見栄えを重視していました。

本当に僅かなカットでしか使用されないのにここまでこだわって制作したのにはもう一つ理由があります。ええ、"ブランク解消の為"ですw 真面目に言うならこの時から取り組んでいたゲームプロジェクトで使用する3Dモデルを仕上げる際にNaniteベースの3DモデルをZbrushで仕上げる事をワークフローとして組み込んでいたので、ここ数年触っていなかったZbrushの操作感覚を取り戻す意味でも真剣に取り組んでいました。

>Zbrush上でのプレビュー

Zbrush上でのプレビュー 01Zbrush上でのプレビュー 02Zbrush上でのプレビュー 03

テクスチャリングする前の生のZbrushデータを撮影したもの。右上に頂点数情報がありますが、全モデルパーツ合わせて 約"1548万"ポリゴンですね。これがプリレンダリングとなると、こんなヘビー級のデータを直に持ち込んだり、本来のディティールをそのまま使うなんて事は到底出来ませんが、UnrealEngine 5のNaniteであれば、直ロード(レンダリングパイプラインを工夫しているようなので完全に全ての頂点データをネイティブロードしたと言えないと思いますが)出来るのは凄すぎですね。Normalベイクだのリトポ作業だの、バカバカしくなってきますね... これからの時代はむしろハイエントな3Dモデルのディティールをそのまま出せる事が新時代のデファクトスタンダードになるべきなのかもしれませんね。

エフェクトプレビュー

FXプレビュー

FX集。画像のみで一部公開。

残念ながらこの部分に関してはあまり追記してまで言える事はありません。まだまだ習熟度が足りないというのもありますが、ゲームプロジェクトの方でかなり使う事になるので、ここでアイディアだの工夫の仕方を語って情報を漏らすわけにはいかないんですね。NiagaraFXの発展に今後も注目!という一言だけで...ここは一つ。

Blenderプレビュー

Blenderプレビュー

最後にBlenderの編集画面を。最近OSをクリーンインストールした+データ整理を行った影響でキャラが紫になってますね。まあ、しっかりとトレス作業も自身でしてましたよという事で。

大体、この映像作品自体が1ヶ月前後ぐらいの制作期間だったはずなんですが、その半分を占める作業は全てこのBlenderで制作するアニメーショントレースでしたね。毎日ひたすらトレース元映像を元にトレースするだけの日々。忍耐力との勝負ですが、それだけではなくセンスや再現率も問われるので大変でした。恐らくプロの方であればカメラでかなり誤魔化している事にすぐに気づいたでしょう。トレース経験は実はほぼゼロなんですよ。ええ。やり方は知っていたんですが、マトモに挑戦したのが今回始めてでした。特に足の接地に関してはUnrealEngine側で設定した地面モデルを読み込んでめり込みチェックもしていたんですが、完璧に合わせられず... うまくいっているところはカメラでギリギリ写したりもしていましたが、足まわりは本当に映すのを意図して避けていたんですよね。荒いのがバレるのでw まあ、制作期間も予定を組んでいたので、レギュレーションの中で妥協したり誤魔化したりすることはこういった業界じゃ日常茶飯時でしょうし、ある程度は大事なのでしょうね。こういう工夫も。

あとがき

もうこの映像を制作してから8ヶ月ぐらいになるんですが、再生数は伸びませんね。ホント、昨今のネット動画界というよりYoutubeやniconicoの雰囲気が10年前ぐらいからすっかり様変わりしてしまいました。

「収益化は大前提・ファスト視聴前提・倍速再生、サムネイルは馬鹿でも分かるようにデカ文字で人の心を煽り、エグるような見出しをつける」

話題を出すとキリが無いですが、いい機会なので考えを述べておきます。 私から言わせてみれば全てクソです。ハッキリといっておきます。"ク ソ 喰 ら え"です。 じゃあ、一体何のために映像を作るのか? 私の場合は、 "好 き だ か ら" ですよ。 PCテクノロジーが。クリエイティブな事が純粋に好きだから、こういった表現を自らの手でいかなるクオリティーであれ仕上げる事になろうと、再生数が伸びなかろうとやるんです。そんな事は関係ないんですよ。私からしてみれば。 手を動かして何かを表現した者が勝つ。何に勝つとかではないですが、少なくとも全く手を動かさない者には勝っていますしね。(勿論"勝ち負け"の為に作品を創るわけでは無いですが)

というか、2019年の時点でもう再生数だとか、そういうのは気にするだけ精神に支障を来すだけだという事を感じ取っていました。それもあって、動画系はこういった作品としてアップロードこそしますが、収益化も、そもそも映像業に特化するといったこともしていません。正直その頃からVtuberだのなんだのが一般化してきていて、それと同時にTV番組のようなネット動画が増えてきていたのを観測していたので、もうこの界隈はダメだと思ってましたね。あらゆる人がTVとは違い、それぞれ独自の試行錯誤をしながら作り、お互いに伸ばし合う、競争し、時に狭い範囲であれ話題にする。注目し合う。そんな2010年~2020年代が一番輝けて、健全な精神を持って発展していける場だったんだなと改めて思います。

今はどうですか? 収益化で得られる"金"の為だけに動画を作る事が、本当に当たり前で、それが"クリエイター"の在り方であると本気で言えると思いますか? 勿論、報酬特化の考え方で生きてきた方であれば、適応出来るでしょうし、大多数がそう言う傾向にあるのが現在の事情でしょう。Vtuberもそうですが、私は少なくともネット動画の世界ではそういった現実でも出来る"稼ぐ手段"をこちら側に大々的に持ち込んで欲しくはなかったですね。そういうのはアニメーションスタジオや映像系スタジオが有償で出すような作品で十分です。

実際、それでこのネット動画業界はどうなりましたか? あふれかえるコンテンツの山。とはいえ、どれも質が悪い。同じツールや定番のテンプレ手法だけを使用して即完成・毎日と言わんばかりに大量にアップロードする。あるいはアイドル活動をそのまま二次元に持ち込んだだけだとか。それは本当にネット動画業界に必要だったものだったんでしょうか。 "やるな。辞めろ"という事を言っているのではないのです。やるにしても、もっと我々のような、影の努力家こそ真に評価されるような、程よい加減でこの界隈の"独特の良さ"を保つべきだったのではないのかと、そう主張したいのです。今の最前線の企業サイドも視聴者サイドもクリエイターサイドも正直やり過ぎのように思えますね。

...大分話がそれてしまったのでここまでにしておきます。

最後に、視聴していただいた皆様、ご視聴ありがとうございました。実際に言葉にする機会こそ少ないのですが、こうしてこの場で改めて御礼申し上げます。