こちらのFalls frontlineのMOD環境を構築した際に得られた情報や400個超えの本格的なMOD環境を組む際に必要な知識含めて、2022年時点の最新のノウハウを全てまとめて置いておきます。
※この記事は省略用語の説明・MODの導入方法といった基本的な解説ではなく、まるで1つの製品として売られているかの如くにMOD環境を構築する上で必要な上級者向けの情報を中心に掲載しております。久々にMOD環境を組む方やある程度知っていておさらい+更に多くの情報を知りたい方にはオススメですが、初心者には理解しづらい内容が多く含まれていますのでご注意を
序章
+前提情報
MOD構成の方針について
私はFallout4の改造を始めようと構想し始めた段階で設定した目標がありました。Escape from tarkov / Armaシリーズといったオープンワールドを想定したエンドレスにゲームプレイが続く事が想定されたゲームの一つにあがるFallout4ですが、射撃含めた全体的なシステムやグラフィック等は発売当時の基準で作られており、現在の2022年では見劣りしてしまうクオリティですが、それをMODによる改造によって前述の作品に負けないぐらいリアリティあふれるハードコアな作品に再構成したいというのが私の考えた目標でした。具体的にこれらを項目毎にまとめると以下のようになります。
・ゲームバランス
少なくともEFTで登場したような医薬品は勿論の事、サバイバルモードにおけるありとあらゆる仕様を見直し、ゲーム開始時点では生き残るのも困難で過酷な状況下から開始するが、ある程度キャラクターを鍛えて装備が整っていたとしてもハードな状況や体験はあまり変わらないようにするといったような、全体的にハードコアな難易度に調整する。
・グラフィック
高解像度テクスチャへの差し替えは勿論の事、ENB/ReShadeの使用は大前提。既存プリセットだけではなく自身でシェーダーを追加で導入してパラメータの調整を行う。
・登場させる銃/射撃システムについて
登場させる銃は現代に存在する実銃をベースに。また、バニラでは"ヒットスキャン"方式を用いていますが、勿論この仕様も現代における"プロジェクタイル"方式に差し替え。またタクティカルリロード・ジャムといった動作を再現可能な程度まで再現する事も忘れずに。
・HUD
バニラのUIはハードコアを想定する上では不必要と判断し、最低でもHPとスタミナが分かるだけの最低限のUI以外は配置せず。後は画面中央の視界を遮らないように意識したUI配置を行う。
・キャラクリ
構想時点でAnimeRaceを発見していたのでこれは大前提。ただし、ドルフロとの絡みがあるので人間と戦術人形の対比、そしてSiz達が唯一あの戦後で稼働する最後の戦術人形として、一般NPCはAnimeRaceに置き換えない方式を採用。またSizのみ髪型や目テクスチャといった一部のデータを自主制作及び既存モデルの一部からインポートして、オリジナリティを少しでも高めるように設計する。
・キャラクターコントロール
"伏せ"は再現可能であれば導入し、可能な限り戦闘中に活かしやすいアクションを新規導入する
・音楽/BGM
自作したラジオ音源含めたお気に入りの楽曲をゲーム内ラジオで聞けるように。またアンビエント・戦闘中のBGMを差し替える。なお、バニラのBGMは一部残しておく(既存楽曲も気に入っていた為)
・コンパニオン/フォロワー
構想段階で既にドルフロとのコラージュ世界である事は想定していたので連れていくコンパニオンはドルフロ絡みのキャラを採用。一部キャラは某所で配布されていましたが、クオリティの詰めが甘かったので自作することに。また、Skyrimと同じく複数連れ歩けるようにする事も前提とする。
これらのイメージを元にFalls Frontlineは設計されました。
実際にこの目標を実現する事に貢献したMODについては別項にてご紹介いたします。
環境構築前の基本的なお約束について
導入必須級のMODやツール群
CKを僅かに触るだけでも本格的に触る人でも必ず入れるべき。我々のような2バイト言語を使用する環境で発生する問題への対策もしっかりとされているので導入しないなんてとんでもない! "強力な処方箋MOD"という紹介の通り。必須。 Buffout 4のログ解析をする為に必須。添付されているPDF(How To Read Crash Logs.pdf)に書かれているエラー内容が実際にエラー解決の役にたっているので困ったら読むと良い。 ハイエントGPUを積んでいて高フレームを叩き出せたり144hzモニター系を使っているようなら必須。というかSkyrimと同じく高フレームレート環境下(60FPS以上)での物理演算はFallout4では想定されていないのか挙動がおかしくなるので60FPSで固定しないならまず導入必須でしょう。日本語環境下(Windowsの言語が日本語である)でMOD環境を組むには
Skyrim/Falloutとベセスダゲー(Creation Engine)系ではお馴染みの「日本語版からstringsを抜き出して英語版に適応する」作業は今も変わらず必須です。この作業を絶対に忘れずに行いましょう。日本/英語版でバイナリが違うとか... まあ我々2バイト民の方が世界で見れば少数派なのでね。
MOD管理ツールは何がいいか
MO2に限る。
Q:何故?
A: もう一つの選択肢 "Vortex" を使用すると固有のエラーが発生すると一部のMODで報告されているから。解決出来るなら使っても良いとは思うが、Nexus posts・Redditでのコミュニティでの会話を見る限りMO2使用者の方が圧倒的であるようなので何らかしらのトラブルに対する解決策が得られる可能性が高い事からMO2にした方が良い。
+各種有名なMODの使用や既知の不具合についての対策
UFO4Pは使用するべきか
Skyrimでの同プロジェクト"USSEP" があるが、こちらではMOD開発方針が「ベセスダが意図・想定した範囲を超えたバグ含む仕様調整は遠慮なく行う」といった方針がかつてユーザー間で意見が割れて少し騒ぎになった事があったらしい。
FO4側の"UFO4P"は基本的にこの方針ではなくバグ修正を中心するのみにとどめているので大丈夫だという声もあるが、そもそもこの手の大規模非公式パッチの最大のデメリットは「UFO4Pの使用非想定のMOD挙動が安定しなくなったり、修正規模が大きすぎて逆に自身の環境構築の際に妨げになる可能性が高い」という事から私個人としては使用しない方が良いと考えている。MOD環境構築で一番悪手なのは自身が入れようとしているMODが何をやっているのか理解もせずに導入・構築することだからだ。
ではどうやってUFO4Pにあるような有用な修正を適応するか? 面倒でも個別の修正パッチをNexusから探すのが一番。
※後の項で私の環境でも導入している修正パッチ系MODの紹介をしておきます
Previsibines Repair Pack (PRP)は使用するべきか
これについてはバニラのままでプレイするならアリ。MOD環境の場合はNG...というかこのFO4から新たに導入されたPrevis/Precombineという仕組みを知ってしまうと、仕組みを知らない人に安易にこの形式で配布して良いのか疑問に思える程のシロモノである。勿論、生成した側の環境と一致しているMOD構成なら問題は無いが、利用者側が想像するよりもPrevis/Precombineは複雑です。
ではどうすれば良いのか? 「Previs/Precombineを自身のMOD環境に合わせたデータを元に再生成させればいい」わけですが
上記の記事であるような手動生成方法ではゲーム内の描画に問題が生じる箇所が出てきます。1セル分が全く描画されなかったり...etc
そこで 2022年の最近になって登場したまだあまり知られていない画期的なツールをご紹介。
(実はこのツール概要を書いたのは私だったりします)
このツールは本来ベセスダが社内で使用していたと考えられるネットワークドライブ上に自動でPrevis/Precombineを生成出来るようにCKや各種OS設定変更方法・そもそもの技術解説・独自のバッチによる半自動生成用ツールの詰め合わせ(FO4Editスクリプト等も同梱されているので)です。最初のセットアップと内容の理解が少し大変ですが、ほぼ半自動生成が実際に実現出来ており、私のFalls frontline環境構築で大きなパフォーマンス改善を促す事に繋がったので、試してみると良いでしょうね。
※このツールを知る前はリアルタイムで4日以上掛けてひたすらCK上で1セル毎に手動生成してましたが、そんな苦労をしてまで手動生成こだわる必要はありませんよ! 良いですか? 手動生成はやめた方が良い。これだけは面倒でも"DIY Previsibines Repair Toolkit"の使い方を覚えましょう。時間を無駄にしますよ!(血涙)
独自プレイヤー種族CTD問題について 【Nanakochanにも関連】
これは"RaceCustomizer"による解決方法が紹介されている事が多いでしょうが、実はアレは根本的な対策にはなっていないようです。ただ、2021年になってようやく真の原因を突き止めたModderによって以下のMODが公開され、今はこちらのMODによってCTD問題を完全に解消できるようです。
CTDの原因が興味深かったので 上記「Fallout4 MODデータベース」概要枠より引用して紹介
【そもそもなぜCTDが起きるのか?】
AnimeRace Nanakochanなどの追加種族は、頭身をよりアニメっぽく近づけるために独自のカスタムスケルトンを導入していますが、独自種族のデータ側で> 「標準のものではない独自のスケルトンのパス」を指定すると、ゲームが確定でCTDしてしまいます。
このCTDの原因は長らく不明となっており、これまでプレイヤーのみがNanakochan Raceを使用する(=NPCはバニラの見た目のまま残したい)場合など、「プレイヤーにのみ独自の頭身を適用したい場合」は、事実上RaceCustomizerの使用が必須となっていました。
しかしながら2021年になり研究が進んだ結果、「直接種族側でスケルトンのパスを指定すると、パスで直接されたスケルトンの他に、補助用に用意された別のスケルトンファイルをゲームが探しにいっている」ことがわかり、その補助用のスケルトンが見つからなかった際にCTDが発生することが判明しました。
つまりその補助用のスケルトンを適切なパスに置いてやれば、CTDを起こすことなくカスタムスケルトンを使用することが可能になるというわけです。
ええ...こんな理由で...
*Bashed Patchの必要性について
MODを何百以上入れるなら必須。しかも自動パッチ生成したらそれでOKという事はまず無い。全てのBashed Patch上のレコードをFO4Editでチェックして自身がゲーム上に適応したいパラメータをしっかりと定義する必要がある。なお、現時点でBashed Patchを生成させるなら以下のツールを使用する事になると思うが、2バイト文字化け対策が上手く行っていないらしく化けるので手動で元のMODに含まれているstringを上書きしてやる必要がある。FO4Editで済ませられるので面倒だがやるしかないだろう。
